iPodの修辞学
AppleのiPodを通じて,カルチュラル・スタディーズの手法を紹介
マスメディア研究やコミュニケーション研究としての新しいアプローチとして,「カルチュラル・スタディーズ」と呼ばれる学問が登場し,注目を集めている。本書はその手法を紹介しようとするもので,カルチュラル・スタディーズの入門書であり,この分野を学ぼうとする人向けの「ユーザーズ・ガイド」でもある。AppleのiPodという特定の文化的産物を通じたケーススタディーの形をとっているため,その内容はとても具体的だ。
文化は「表象」「アイデンティティー」「生産」「消費」「規制」という5つのプロセスの組み合わせによって形成されるという。これに従い,iPodの文化的意味とイメージ,そのデザイン,使われ方,そして,iPodを生み出したAppleの企業戦略,最後にiPodの活用が,現代社会にどんな影響をもたらしたのか,の5段階で分析している。
「あ、読みたいかも」って思った?
種を明かせば、上の文章はアマゾンにあった「実践カルチュラル・スタディーズ ― ソニー・ウォークマンの戦略」*1の書評で「s/ソニー/Apple/g、s/ウォークマン/iPod/g」って文字列置換をしただけなんだな。
細川周平さんの「ウォークマンの修辞学」*2は1981年、つまり、ウォークマンが出た2年後に出版されたのだそうだ*3。そして、偽書評の原文の対象の原書、「Doing Cultural Studies: The Story of the Sony Walkman」*4が出たのは1997年。iPodの発売が2001年で、いまんとこ、iPodに関するマトモな書物がレヴィのやつ*5しきゃないことを考えると、「批評の不在」と言われてもしゃーないわな。
少しマトモなことを書き加えるなら、細川さんの上記のご著書は、その射程において今でも有効であって、本当のところ、いま私が読みたいのは「iPodの修辞学」ではなくて、「iPodのエスノメソドロジー」とでも名づけられるべき書物である、かも。
たのむ、だれか書いてくれ。
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*1:
*2: ウォークマンの修辞学 (1981年) (エピステーメー叢書)
*3:http://www.vvvvv.net/topics/018_013.html
*4: Doing Cultural Studies: The Story of the Sony Walkman (Culture, Media and Identities series)
*5: