数の歴史*2
数えた数を「保存する」ため、人は骨や木のほかに、自分自身の体を用いた。もちろんこの場合は、切り傷をつけるわけにはいかない。体の各部分に、特定の数を対応させるのである。手の指だけだと10までしか数えられないが、指の関節まで含めれば、もっと多くの数を数えることができる。
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中国では、16世紀、両手を使って10億まで数える方法が考案されていたという。
そろばんが上達するには、手先が器用でなければならない。計算の仕組みがわかっても、玉を速く、正確にはじくことができなければ、役には立たないからだ。計算術から身体性が失われたのは、筆算が出現して以降のことである。
具体的な方法は、
- K. メニンガー, 図説 数の文化史- 世界の数学と計算法, ISBN:4896944712
の方が詳しい。
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十字軍遠征をきっかけに、12世紀以降、くりかえしラテン語に訳されたこの書物は、あまりにも有名になり、とうとうアル・フワーリズミーのラテン名である「アルゴリズム」が、そのままヨーロッパにおけるインド式算術の名称となった。
「不正な取引のためではなく、ただ知るために研究するなら、これほど美しく有用な学問はない。」(プラトン『国家』)
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